白球に想いを
どのユニホームがN 高校で、どのユニホームがM高校なのか分からない。
私がわかる人なんて、山崎くんくらいだけだし……と思ってグランドを見回した。
「あ……あの人」
昼、見ることはないだろうと思っていたあの人に似ていた。
今ならわかる。
この人は、この人で。私が大切にしているあの人とは違う。
それでも、凄く、凄くにいてる。
「ん?花奈、長谷川と知り合いなの?」
「あ、いや!……知り合いに似てて……」
あまりにも、その『長谷川』くんを見ていたせいか、隣にいた璃紗ちゃんが話しかけてきた。
「そっか〜」
それだけ言って、また前を向いてしまった。まぁ、部活だし、そんなに話していてはいけないだろうけどね。
その、長谷川と呼ばれる人は、あまりにも私が大好きな人に似ていた。昼にすれ違った人だ。見間違えるわけがない。
記憶力には自信があるのだ。
だけどやっぱり、いるわけないか。
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