白球に想いを
声を荒らげていうと、坪田さんは大きく目を見開いてこちらを見た。
「坪田さんって私のこと??フフッ玲でいいよ」
すぐに、面白いと言いたげな顔で言った。
「そーそー!私も璃紗でいいからね!」
あぁ。
あったかい。
呼び捨てだなんて、そんな恥ずかしいこと、私にはできそうにもないけれど、寄り添ってくれるのがすごく温かった。
「うん!」
私の、控えめだけど、幸せを込めた返事は、少しでも二人に届いていたらいいな。
「おーし!じゃあグランドに行こうか」
笑顔で返されるその言葉は、居場所をくれるみたいで、心地よかった。
グランドに入ると、N 高校と思われる野球部員と我がM 高校の野球部員がいた。
大きく口をあけて、声を張り上げて、キラキラ光る汗。私には、どれもカッコイイものに見えた。
これぞ『青春』と言ったようなものだ。
だ、だけど……。
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