からっぽ。
私達は、お互いが同じ気持ちでいた。

でもあえて、その部分に触れる事はなく、一緒に居る事が多くなる。




朝方、いつもの様に、私を部屋まで送ってくれて、坂下は彼女の父親と会う事を話してくれた。


「来週、会って来るョ。全部、話そうと思うんだ……」

「それで良いの?」

「子供は、誰の子供であっても認知をする。
向こうが、育てるのが大変なら、引き取って育てるつもりで居る」

「決めたんだね」

「…うん。後は、ちゃんと別れるだけだ……」


来週、坂下の人生が決まる。

かなり悩んで決めた事が分かっていたから、私は頷くしか出来なかった。




坂下は、敬語を使わなくなっていた……



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