からっぽ。
玄関のチャイムがなる。


『ちょっ、ちょっと、早いョ…』


ココに向かいながらの電話だったらしく、坂下は何分もしないウチに着いていた。

私は、鏡を覗き、軽く髪を直して、ドアを開ける。


「突然でごめん。
今から、行って来る」


そういえば、彼女の父親と会うって言ってた……

一睡もしていない事はすぐに分かる。

目の下には“クマ”が出来ていた。



「これ………」


水色の封筒を、渡された。


私は、中身がなんなのか聞こうとして、やめた。


「分かった。運転、気を付けてね」


そう言って、来たばかりの坂下を送り出した。



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