からっぽ。
「二本の指が、繋がってました。
裕美さんがした事は、そう言う事なんです……」

今度は、父親の方が黙っている。

「これから、成長して行くにつれ、知能や内臓、骨にだって影響が出ないとは限りません」

俺は、出来るだけ冷静を装いながら言った。


「今は、裕美を交えての話し合いが出来ない。来週、裕美が退院したら、時間を作ってくれるか………?」


裕美の父親もショックなのだろう。


初めて電話で話した時の勢いは、もうない。


父親になった実感があった訳ではないが、“守るべきモノがある”という裕美の父親との共通点が、裕美に対する俺の怒りを、半減させてくれた。



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