伝わる体温
「あ、あのぉ〜…どちらさまで?」
「え?俺が分からんの?」
そう言って彼は
不思議そうに首をかしげている。
「いえ、どなたか全く存じませんけど…?」
「こんなにずっと一緒におるのにヒドいわぁ〜っ。まぁ、ええわ。とりあえず、薬と熱下げるシートとスポーツドリンク買うてきたから。」
まぁ、ええわ。って……
よくないわー!!!!
わたくし
全く状況が飲み込めていませんけど?!
でも、そんなことをツッコむ程
私には体力が無いわけで…
むしろ
孤独死しかけてる
こんな私を救ってくれて
ありがとうと言いたい。笑
「ほーらっ、シート貼ったるからおデコ出してやっ。」
「あ、はっ!はいぃ!!」
久しぶりのオスとの触れ合いに
挙動不審になる私とは反対に
彼は慣れた手つきで
私のおデコにシートを貼ってくれた。
…それにしても
本当に男前だな、おい。
独身、彼氏無しの私には
いきなり
刺激が強すぎやしねぇかい?