呼吸(いき)するように愛してる
*****
美羽が高校生の三年間は、小輪の白いバラを贈り続けた。本数は十一本、『最愛』。
やっぱり、美羽は何も気付いてないけど。
美羽の十九才の誕生日。あと一年が、とてつもなく長い時間に感じた。
清廉で簡単に触れられなかった白いバラから、淡いピンクのバラにした。本数は変わらず十一本。
芳しい香りに、思わず顔を寄せてバラの香りを楽しんだ。それが、許されるようにも感じた。
美羽が二十歳になるまでは、できるだけ会わない事にした。顔を見ると、心が揺れるから。
なかば気を紛らすように、仕事に没頭した。
いろんな誘いや告白には、就職して二年は「今は仕事が一番」と言って断った。その後は「好きな人がいるから」。上司からお見合いを勧められた時は、三才の美羽とした結婚の約束を、思わず口にしていた。
……俺、大丈夫か!?
俺にゲイ疑惑まで出ていると聞かされたのは、美羽と付き合うようになってからだった。確かに、就職をしてからは誰とも付き合っていない。美羽が、二十歳になるのを待つと決めたから。
……全然、知らなかった。
本店に異動になるまで、よく一緒に飲みに行ったりしていた、一つ上の職場の先輩にそんな事を言われ、俺は絶句した。
「……乃木さんも、そんな風に思ってたんですか?」
「いやぁ、俺はそんな事ないって言ってたさ!…まぁ、おまえなら抱かれてもいいかも…なんて言うヤツが、野球チームには何人か……」
「俺はストレートです!てか、そっちでもそんな話、してたんですか!?」
生ビールの入ったジョッキを乱暴に置くと、思わず乃木さんに詰め寄った。
美羽が高校生の三年間は、小輪の白いバラを贈り続けた。本数は十一本、『最愛』。
やっぱり、美羽は何も気付いてないけど。
美羽の十九才の誕生日。あと一年が、とてつもなく長い時間に感じた。
清廉で簡単に触れられなかった白いバラから、淡いピンクのバラにした。本数は変わらず十一本。
芳しい香りに、思わず顔を寄せてバラの香りを楽しんだ。それが、許されるようにも感じた。
美羽が二十歳になるまでは、できるだけ会わない事にした。顔を見ると、心が揺れるから。
なかば気を紛らすように、仕事に没頭した。
いろんな誘いや告白には、就職して二年は「今は仕事が一番」と言って断った。その後は「好きな人がいるから」。上司からお見合いを勧められた時は、三才の美羽とした結婚の約束を、思わず口にしていた。
……俺、大丈夫か!?
俺にゲイ疑惑まで出ていると聞かされたのは、美羽と付き合うようになってからだった。確かに、就職をしてからは誰とも付き合っていない。美羽が、二十歳になるのを待つと決めたから。
……全然、知らなかった。
本店に異動になるまで、よく一緒に飲みに行ったりしていた、一つ上の職場の先輩にそんな事を言われ、俺は絶句した。
「……乃木さんも、そんな風に思ってたんですか?」
「いやぁ、俺はそんな事ないって言ってたさ!…まぁ、おまえなら抱かれてもいいかも…なんて言うヤツが、野球チームには何人か……」
「俺はストレートです!てか、そっちでもそんな話、してたんですか!?」
生ビールの入ったジョッキを乱暴に置くと、思わず乃木さんに詰め寄った。