呼吸(いき)するように愛してる
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美羽が高校生の三年間は、小輪の白いバラを贈り続けた。本数は十一本、『最愛』。

やっぱり、美羽は何も気付いてないけど。

美羽の十九才の誕生日。あと一年が、とてつもなく長い時間に感じた。

清廉で簡単に触れられなかった白いバラから、淡いピンクのバラにした。本数は変わらず十一本。

芳しい香りに、思わず顔を寄せてバラの香りを楽しんだ。それが、許されるようにも感じた。

美羽が二十歳になるまでは、できるだけ会わない事にした。顔を見ると、心が揺れるから。

なかば気を紛らすように、仕事に没頭した。

いろんな誘いや告白には、就職して二年は「今は仕事が一番」と言って断った。その後は「好きな人がいるから」。上司からお見合いを勧められた時は、三才の美羽とした結婚の約束を、思わず口にしていた。

……俺、大丈夫か!?

俺にゲイ疑惑まで出ていると聞かされたのは、美羽と付き合うようになってからだった。確かに、就職をしてからは誰とも付き合っていない。美羽が、二十歳になるのを待つと決めたから。

……全然、知らなかった。

本店に異動になるまで、よく一緒に飲みに行ったりしていた、一つ上の職場の先輩にそんな事を言われ、俺は絶句した。

「……乃木さんも、そんな風に思ってたんですか?」

「いやぁ、俺はそんな事ないって言ってたさ!…まぁ、おまえなら抱かれてもいいかも…なんて言うヤツが、野球チームには何人か……」

「俺はストレートです!てか、そっちでもそんな話、してたんですか!?」

生ビールの入ったジョッキを乱暴に置くと、思わず乃木さんに詰め寄った。

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