【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「そうだけど。でも、御木本さんが玲央の毒牙にかかったら可哀想だし……それに」
「気になる?」
「……ハハッ、なるわけないでしょ?なんで、アンタのこと……」
いくら洗練された容姿を持っているからって、どれだけ自信満々なんだか。
心の中で言いながら玲央に背中を向けて部屋へと足を動かす。
「ちょっ、何っ……」
グイッーーと髪の先を引っ張られて部屋へ向かう足が制される。
「やめ……」
やめて……って、言いたかったのに。