【完】好きなんだからしょうがないだろ?
「それから玲央君もだよ?あ……でも、玲央君は、稀にピンチヒッターだけどね」
「玲央が、シュガーマカロンで……!?」
ハハッ、嘘でしょ……!?
「うるせぇな。オレの場合は、頼まれた時しか出ねぇんだよ」
頼まれたって、こんな可愛いお店のピンチヒッターを誰が玲央なんかにお願いするわけ……?
「あのね、玲央君がフロアに立つと、お客さんのウケがよくって……」
「“玲央”……だと?」
背中に、凍えるほどに冷たい声を浴びせるのは。
「お前が、玲央か?」
たった一人、轟先輩しかいなくて。