【完】好きなんだからしょうがないだろ?
き、気まずい……。
沈黙が重くて何か話さなきゃって思ったあたしは、轟先輩に一方的に喋りだしていた。
「いつもはあんなこと言う子じゃないんですが……っ、えっと。莉子はすごく走ることが好きで……」
「知ってる」
え……?
いつも棘のある低い声はどこか冷静さを含んだみたいに落ち着きがあって。
莉子が走ることが好きだなんて知ってる訳がないと、そう思ったのはあたしの考すぎだっただろうか。