【完】好きなんだからしょうがないだろ?
そう指摘された玲央は舌を打って悪態つく。
「御木本、もう帰れよ。さっきの話はオレからしとく」
「……うん。玲央君、あの……また、ここに来ても、いい?」
マシュマロのように白い頬を染めて見上げた御木本さんの決死の瞳は、上目遣いでうるっと光る。
かっ、か、可愛い……。
素直にそう思ったあたしは、体育祭の練習のために結んだポニーテールが型崩れしていて、酷く恥ずかしくなるくらいだった。