〜後悔〜壮絶なDV体験ーDVの心理〜逃げなきゃだめだよ!
幸せな日々〜微笑ましくあたたかな時間

優美(ゆうみ)『はい、もーしもーし。おつかれさまです。』

孝明(たかあき)からの着信に嬉しそうな声で電話にでる。

面倒見の良い孝明は影ながらみんなを守る優しいお兄さんだった。
みるからに怪しげな雰囲気を放ち口数が少なく頭がキレる賢い孝明に、最初はとても警戒していた優美も少しずつ心をひらいていた。


孝明には近づき過ぎてはいけない人物であるというのは頭のどこかにいつもあった。


出会ってから半年経ち、孝明からは仕事で忙しくても毎日必ず一度は連絡が入る。

孝明は『なにしてんの?』という、要件と安否確認だけでいつもだいたいは三分ほどで電話を切る。


優美の職場のリフォームを請け負う業者の人物として孝明が半年前に来た。


リフォーム工事をすることになった事情と経緯を見聞きしていた優美は、孝明を少し危ない世界の人だろうと感じていた。

あまり接触しないほうが良いだろうと感じながら毛嫌いを包み隠した。




頻繁にリフォーム業者としてこまめに手入れにくる孝明と良く顔を合わせる。


顔もスタイルもモデルのように整っていて、姿形がシャキッとして人相も雰囲気も孝明から嫌な感じはそれほどしていない優美だった。


はじめて会った瞬間からあまり悪い人間の臭いはしないと感じていた優美は半年たてば、あまり警戒することがなくなった。




優美の職場の上司(経営者)誘いで、孝明と従業員と食事会をしようという機会が頻繁にあった。

上司『優美ちゃんは、どうおもう?孝明さんは信用してもいい人かな?孝明さんに色々少し気になることもあるし‥どうおもう?』

突然の言葉に本音で返すことに戸惑いはしたが こう答えた。

優美『そうですね‥。とてもいい人ですし親切なかたです。信用していいかと聞かれたら‥正直まだわかりません。私も色々気になっていたこともありますし、一応は念のため気を付けておいたほうがいいとは思います。』




最初は孝明をどんな人間だと思うか度々相談訳の優美に聞いていた上司も孝明の人柄や丁寧で親切なところを気に入ったようだ。


孝明は気付けばいつも何故か優美の側にいた。









孝明『お疲れさまです。優ちゃん今日も輝(あきら)くんと一緒?』

輝は優美の職場の後輩で組んで仕事をしている。輝の素質に一目おいていた優美だが、お坊ちゃん気質で生意気な輝とはいつも不思議なほど反発し合う。


何故か優美は輝の名前を聞いただけで一瞬で気が重くなった。
優美『えっ‥うん。もう少ししたら来るとおもう。』



孝明『また輝くんと喧嘩したの?仲いいね。』


いつも孝明からそれを言われると優美は少し嫌な気持ちになり『仲良くない。子供みたいなことばっか言って腹が立つし。』と返す。



輝に頭を悩ませている優美は孝明に相談していた。

優美『孝ちゃん‥前に言ったこと‥。あんな天邪鬼な子だけど、本当はいい子なんです。

絶対に伸びるとおもうんです。輝くんは今は色々悩んで上手くいかないんだと思うけど素質はあります。

時間をかけて向き合っても、私ではだめなんです。

孝ちゃん‥ごめんなさい‥

もし輝くんが頼ってきた時は‥宜しくお願いします‥!』

少し前にも孝明と二人でいる時に重苦しそうに直接頭を下げた。



孝明『優ちゃん‥。もうすぐ輝くん来るんだよね。また連絡する。

‥なんでもかんでも一人で抱え込まなくて大丈夫だから。』


いつものように、じゃあねと静かに電話をきる。



穏やかで優しい性格で芸能人でもそうそう居ないほど綺麗な容姿をした輝は幼いころから他人に容姿の事ばかりを言われ続けコンプレックスをもっていた。気品が漂い、かけ離れたオーラも存在感もある。女性のほうからどんどん交際を迫られ、もちろんガールフレンドは何人もいる。


それも優美は、輝の一つの才能だよと苦笑いしかできなかった。



されど完璧な人間はいない。




優美にとっては輝は歳下であっても、あまりに子供っぽく生意気でお坊ちゃま気質。ロマンチスト過ぎて女性関係にマナーがなってないところが目立つ輝は異性としてはNGだった。






優美『輝ちゃん、また重い表情して‥イライラしてる感じする。また、そんなに悩んでるの?』


のんびりしている輝は質問に答えるのにかなりの時間がかかり、気の長い優美でも困るときがある。



一分ほどの間があいてからようやく返答がある。


輝『こんなに深く自分や人と向き合ったこともないし考えさせられたことも無いよ。

優ちゃんみたいな人初めてだよ。俺は優ちゃんみたいにはなれないもん。孝明さんだって、俺じゃなくて優ちゃんがいるからだよ。俺なんてどうせ優ちゃんのオマケだし。

どこかでいつも優美ちゃんをライバルにみてしまう。知らないうちに優ちゃんを傷つけてしまう、そんな自分も嫌だ。
優ちゃんは自分で決めてきたことに真っ直ぐきたかもしれないけど

俺は自分と向き合えなかった。
本当は‥どんなに夢や目標や高いハードルでも‥諦められなくて いつも頭のなかにあった。


なにやってんだろうって‥。

何のために存在するのかずっと考えてた。


きっとお互い目指すところが違いすぎるんだ。』





優美『そうだよね。目指すところが違うってのは仕方ないよ。

この先 輝ちゃんが自分で決断して切り開いていかないといけないよ。

大丈夫!私がいなくても輝ちゃんなら大丈夫だって前からいってるじゃん!きっとできるから。

同性だし孝ちゃんならきっとこの先、輝ちゃんの力になってくれるとおもう。なるべく孝ちゃんとの関係大事にしてね。

輝ちゃんは、人とあまり付き合いしたくないって孝ちゃんのこと避けるけど

孝ちゃんは輝ちゃんのことも優ちゃんのことも可愛いとおもってるし、大好きだっていつも言ってくれてるんだよ?


孝ちゃんはきっと輝ちゃんのことずっと守ってくれるとおもう。

輝ちゃんは心がきれいだから。自然に人をそうさせるんだよ。

もっと自信もって!』


これまでは、いつも不器用に励ましてくれる輝への感謝のきもちがあった。



穏やかに話ながらも反発しあい、お互いに静かに涙を流したりする。


いつも無邪気な子供時代に戻ったような感になった。



『それぞれの道に進んでも、ずっと友達でいれたらいいね。』


度々そんな会話がでた。




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