復讐アプリ
「お姉ちゃんは、泣いちゃダメだよ。

復讐は正義なんだ。

だから、お姉ちゃんのしてることは正しいことなんだよ」




私は私の顔をじっと見つめている和宏から後ずさりしながら、
家中に響くような声で、叫んでいた。




「ウソよ!

私は正しくない!

私は他人に不幸を撒き散らしてるだけなの!」




「憎まれるヤツが悪いんだ。

憎まれるヤツは、いつも傲慢で、弱い人間の気持ちを踏みにじるんだ」




「復讐アプリなんて、最低よ!

憎しみを拡散して、どうするつもりなの!」




私が悲鳴にも近い声で、そう叫ぶと、和宏は間近で私の目をのぞき込んで、私に言った。
< 112 / 244 >

この作品をシェア

pagetop