「君」がいるから【Ansyalシリーズ ファンside】
……私みたいだね……。
心の中、自虐的に呟く。
授業の終わりを告げるチャイムが聞こえたと同時に一礼して、
いつもの校内の居場所へと身を潜める。
虐めるなら、正々堂々とすればいいのに。
コソコソしてばかりいないで。
★
当たり前のように切り替えされる日常。
家にも学校にも居場所を見つけられないままに、
流されてやり過ごすように時間だけはすぎていく。
秋が過ぎ、冬が訪れ、春が芽吹いて、夏が豊かさを彩っていく
四季がめぐりすぎる。
だけど……その世界は、ただ、そこにあるだけ。
偽ることに疲れた心は……悲鳴をあげて粉々に砕けて、
人を信じることも何か感動することも、
世界を色づかせることも機能を停止した。
何もかもが、ただそこにあるだけ。
世界の音も殆ど聴こえず色はモノクロに映すだけ。
何時もと変わらない日常を全ての機能を捨てたロボットが、
今日も一日決められた時間を動き続ける。
それすらも……偽りの時間だと言うことにさえ気が付かずに。