「君」がいるから【Ansyalシリーズ ファンside】 

もっと強くならなきゃ。
今のままだと家族の形も何も変わらない。


その夜、逃げ出したくなる自分と闘いながら
お父さんとお母さんの傍で過ごして就寝。


翌日のクリスマスイヴは、掃除や宿題に慌ただしく過ごして夜を迎えた。

クリスマスイヴの夜。

二度目の家族での夕食時間に、自分の中で気合を入れてリビングの扉を開いた時、
TVから速報を知らせる音が響いた。



思わずその画面を見つめる。






AnsyalのTAKA急逝






突然のその速報に私は思わずTVの方へと駆け出した。


字幕はすぐに消えて再び、
その速報の字幕が表示される。




TAKAが死んだ?




一気に体が震えだす。

思考回路が停止したみたいに何も考えられなくなって、
ただ恐怖だけが襲い掛かる。




「ごめん。ご飯いらない」



それだけ伝えると私は世界を拒絶するように自分の部屋へと閉じこもって床に崩れ落ちた。



TAKA……ようやく出逢えた私の心の支えだったのに……。

真っ暗な部屋の中、携帯電話を握りしめながら、
独り体を縮こまらせて不安と向き合い続けていた。



【Ansyal ギタ-リスト Taka急逝】
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