イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


そこへ突然、男のお客さま数人が、カンナさんを指差し近づいてきた。




「カンナちゃんにこんなところで会えるなんてー!」




気づかれた…!?

「やば」とつぶやき、カンナさんはお客さまの中に戻ろうとした。

けど男の人たちは駆け寄って、カンナさんを囲んでしまう…!




「ねーもしかして、愛本カンナちゃん?」




カンナちゃんはポカンとした表情を浮かべて、返答に詰まっているフリをする。

「ちがいます」なんて即答してもかえってうさんくさいもんね。

さすが、こういう場面に慣れているのかな。


って思っても、男の人たちは全然引き下がる様子を見せない。

なんだかニヤニヤして、怖い。


まわりのお客さまも怪訝そうな顔をして見てくる。




カンナさん…。

これってすごく不味い状況…だよね…。
< 217 / 257 >

この作品をシェア

pagetop