イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


「もう決めたことよ。ここのオーナーは私。あんたの希望なんていちいち聞かないんだからね」


「…勝手にしろ!」




吐き捨てるように言うと、榊くんは店の奥に行ってしまった。


残されたわたしは、ただもう茫然。




だって。




もしかしてわたし…


嫌われちゃった…?




どうして…?

だってさっきまで親しみやすい感じで話してくれてたのに、わたしが志望動機を言ったら急に…。


あの動機じゃ、ダメだった?




そんな…

自分が一生懸命作ったものを好きって言ってもらって怒る職人さんはいないと思ったのに。

それに祥子さんも作り手がよろこぶ、って…。




…どうしよう…。

わたし、告白する前から、嫌われちゃったぁ…?
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