靴ひも
「お前啓太の事好きなんだろッ!?」
からかいの目で投げ付けられた言葉だった。
「は???」
啓太には言わないようにちゃんといって、了解ももらった…
私は啓太を信じてたからこそあえてポーカーフェイスを気取ってたんだ。
「とぼけたって無駄、無駄!!ちゃんと啓太から聞いたし」
ニコニコとした表情で私を馬鹿にしてくる。
私は恥かしさと同時に啓太への怒り、そして悲しみがわき出て来るのを感じていた。
言い返す事もできずに私は話題を変えようと必死になるしかなかったんだ。
今でも思い出す...
あの恥かしさは忘れない…
あの怒りも…
そして空しさのある悲しみを私はもう体験したくはなかったんだ。
だから私は心にフタをした。
恋はしない!!
好きな人ができても心の中で片付けてしまおうってその時心に誓ったんだ…。