甘い恋
episode,six.
前で翔さんと先輩がなんかしゃべってる。
「相変わらず、カツ丼なんだね(笑)」
ほぼ毎日、お昼はカツ丼を食べてる。
引かれたって、別に気にしないもん。
「翔さんだって、いつもオムライス定食じゃないすかっ。」
すまんすまん。と口の端についたケチャップを紙ナフキンで拭いた。
「……あれ?それにののやつじゃね?」
どれかわからなくて、頭にはてなを浮かべているとそれだよ!と指を指された。
「似合うでしょ?」
「え?にの?もう、うまくいった感じ?」
「ええ、まあ(笑)」
嘘だろ!という翔さんはなんだか少年っぽくてかわいらしかった。
「返さなくても、いいんですか?」
「好きな方でいいよ。俺はリボン返さないけど。」
ポンポンっとリボンが入っているポケットを叩いた。
先輩とこんなやり取りができて、すごく嬉しい。
それを見た翔さんが、ええ!?と目を見開いて驚いていた。