魔女の瞳Ⅲ
天空より降り注ぐ数多の流星群。

そんなイメージと共に私が行使したのは、『雷雨』の魔術。

巨大な雷球を上空に打ち上げる。

その雷球が空中で破裂し、文字通り稲妻の雨となって百禍に降り注いだ！

しかし。

彼女の触手は想像以上に万能だった。

触手達は即座に百禍の頭上に集結し、降り注ぐ稲妻から百禍の身を守る。

激しい雷と爆発にもかかわらず、百禍自身には傷ひとつ付ける事は出来なかった。

「…ちっ」

思わず舌打ちする。

案の定手強い。

私の魔術をも簡単にあしらうなんて、百禍自身が相当に高い魔力を内在させているのだろう。

加えて私が如何に高速詠唱で素早く魔術を発現させようとも、百禍は触手という形で常に自らの魔力を展開している。

しかも殺傷と障壁の役割を果たす万能な触手だ。

魔術の撃ち合いでは分が悪いと言わざるを得なかった。


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