強引上司がいきなり婚約者!?

ごはんをバターで軽く炒めて、たらこと鰹節にお醤油を使って和風テイストな味付けにする。

最後は兎川さんの作ったふわふわトロトロな卵をお手本に、自分の卵は自分でやってみる。

だけど案の定、ところどころ焦げ目がついて破けた不格好な卵をライスの上にぽんっとのっけるのが精一杯だった。


「兎川さんって、ほんとになんでもできるんですね」


完成したオムライスを並べてみて、私は改めて彼を尊敬した。

彼は「この程度の料理で」と言いかけて、私に悪いと思ったのか、グッと言葉を飲み込む。


「兎川さんの思い通りにならないことってあるんですか?」


合わせて作ったサラダや飲み物をテーブルに運び、素直な疑問を口にする。

私の正面に座った兎川さんは、軽く目を見開くと、不本意そうに眉を上げた。


「お前は俺をなんだと思ってんだよ」

「器用でそつがなくて、派手で目立って自信があってかっこよくて、すっごくモテる上司」

「……思ったより深刻な評価だな」


私が率直な印象を述べると、兎川さんはちょっと拗ねたように鼻の頭にシワを寄せた。

そのまま仏頂面で私が作った不格好な卵ののったオムライスにかじりつくので、私はきょとんとして瞬きを繰り返す。
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