男の秘密 －繋がる未来－

電話の向こうから聞こえた声は、つい数時間前まで一緒に居た柏木だった。

「どうされました？」

-----　いや、斎賀君に待ち受け画面見せたかな？って思って

「そ、そんなわけ無いでしょ！」

-----　そうなんだ。残念。

「それを聞く為に態々電話されたんですか？」

-----　いや、イラストの件で。

「あ、ちょっと待って下さい、場所移動します」

電話を始めてから忍に背を向けていた優が、忍の方を向いた時、訝しむ視線を向けていた。

「忍さん。柏木さんから仕事の電話なので、先に食べてて下さい」

忍の視線に一瞬怯んだが、直ぐにそう言って、自室に向かう。

仕事の打ち合わせが済んだのが、電話を始めてから40分ほどした頃で、慌ててリビングに戻ると、料理は手付かずのまま残っているのに、忍の姿が無かった。

「忍さん？」