男の秘密 -繋がる未来-


振返った男女は自分の記憶の中にある両親の顔をしている。

年は30後半位で、メガネをかけた父そっくりの男性は、優しそうな顔をしている。

腕には小学校低学年位の自分が眠っている。

「君に似てるね」

不意に母に似た女性に向って話しかけた言葉で、意識を戻した。

『夢だから両親が出てきても可笑しくないわよね・・・』

「あら、私こんなに可愛くないわよ」

ふふふっと笑う母は記憶にある母だった。

いつも笑顔で、ユーモアのある可愛らしい女性だった事を思い出した。

「そんな事ないよ!君は可愛いよ」

父と母はとても中が良くて、自分が居る前でもこういう会話をして居た事を思い出す。
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