領収書
2.みーちゃんとお母さん
お父さんの事が大嫌いだった。
ムカつくことがあるたびに、お母さんに手をあげるお父さんが大嫌いだった。

ずっと昔に、小さな子猫を拾ってきた。
暴れるお父さんと、それに黙って耐えるお母さん。
そんな密封された泥臭い家庭の中で、真っ白な子猫の「みーちゃん」は天使のような存在だった。

お父さんが仕事に行ってる間は、お母さんとお話をする。

「なんでお父さんは、お母さんのことをいじめるの?」

子供ながらの質問だった。

「お父さんは、外でお仕事を頑張ってるからイライラしてるだけなのよ」

そう言って優しく撫でてくれる、お母さんの温かい手が大好きだった。

でも私は知ってたの。
毎晩、お酒臭くなって帰ってくるお父さんのこと。
シャツの首もとに真っ赤な口紅が付いていたこと。
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