この想いが届くまで
未央は手の平にあるチャームを見つめながらぽつりと呟いた。
「私昔に社長の出張先の国行ったことあるんです。今日片付けしていたらその時に買った物がたくさん出てきて懐かしいなって思って……すごく街並みがキレイだった」
「昔って、学生の時? そういえば外国語学部出てたよな」
「学生の時も色々行きましたよ。留学もしていたし。……社会人になってからも、仲の良かった同期と」
「もしかして理沙?」
「……!?」
未央はなぜ名前を知っているの? と口に出さなくても分かるような表情でまばたきを繰り返す。
「前に言ってただろ。見返すとかなんとか。その時に」
「う、うそ……!」
「男の名前は……なんだっけな」
「そ、それはもう思い出さなくていいです! そちらはもう、なんとも思ってないので……!」
「理沙には未練が?」
「い、いや……別に……」
西崎は一度目を伏せ穏やかな笑みを浮かべてから優しい表情で未央を見た。
「分かるよ。時間が経てば経つほど気持ちも変わる。許せることだってあると思う」
「……はい」
「会ってみたい?」
「いいえ。きっとまた……逃げちゃう、かも。情けないんですけど」
「そんなことない」
優しくて力強い響きになぜか泣きそうになってはっとする。
「……あ、なんかごめんなさい。私ばっかり、しかもこんな話して……」
「いいよ。もっと話して欲しい。色んなこと」
「それなら私の方が聞きたいことたくさんあって…… 趣味とか、好きな色とか、柄とか、食べ物とか、苦手なものとか、怖いものとか、初恋はいつかとか、す、好きな女の子のタイプとか……」
「……」
「あと学生の時のこととか、得意科目とか……あ、スポーツはするのかとか、あと、あと誕生日と血液型……」
「ストップ」
あふれ出す思いが言葉になって止まらなくなる。そんな未央がまた可愛いと思ったし、今度は愛おしくも感じた。
「そういうことは一気にじゃなくて少しずつ話していこう。一緒に過ごしていればすぐに分かるようなことばかりだ」
「……はい。ごめんなさい、ちょっと落ち着きます」
落ち着く暇もなく、距離を縮めた西崎に手を取られて胸が高鳴る。男性らしく大きいがきちんと手入れされた清潔感のある手が未央の小さな手をすっぽり包んで少し引く。
「夜に帰ってきた日はあまり眠たくならないんだ。付き合ってくれる?」
「……約束しましたから。次は、朝まで一緒にって」
繋いだ手とは反対の腕が肩を抱き寄せ一度軽く唇を合わせて離す。お互いに唇が触れそうな位置でじっと相手の顔を見つめてから次は一度目よりも深く重なる。途端に背中に手が回り苦しいくらいに抱き締められて、未央も応えるようにぎゅっとしがみついた。深く甘くくちづけを交わしながら、西崎の指先が未央の体の輪郭をなぞる。体の内側から何かがぞわりと這い上がる感覚に未央は小さく声を漏らした。顔を離した西崎が未央の髪を耳にかけてその耳に唇を寄せた。
「寝室行こう」
今までで一番近くで響く声に堪らずもう一度漏れそうな声を我慢して、未央は西崎の首元に顔を埋めて頷いた。
「私昔に社長の出張先の国行ったことあるんです。今日片付けしていたらその時に買った物がたくさん出てきて懐かしいなって思って……すごく街並みがキレイだった」
「昔って、学生の時? そういえば外国語学部出てたよな」
「学生の時も色々行きましたよ。留学もしていたし。……社会人になってからも、仲の良かった同期と」
「もしかして理沙?」
「……!?」
未央はなぜ名前を知っているの? と口に出さなくても分かるような表情でまばたきを繰り返す。
「前に言ってただろ。見返すとかなんとか。その時に」
「う、うそ……!」
「男の名前は……なんだっけな」
「そ、それはもう思い出さなくていいです! そちらはもう、なんとも思ってないので……!」
「理沙には未練が?」
「い、いや……別に……」
西崎は一度目を伏せ穏やかな笑みを浮かべてから優しい表情で未央を見た。
「分かるよ。時間が経てば経つほど気持ちも変わる。許せることだってあると思う」
「……はい」
「会ってみたい?」
「いいえ。きっとまた……逃げちゃう、かも。情けないんですけど」
「そんなことない」
優しくて力強い響きになぜか泣きそうになってはっとする。
「……あ、なんかごめんなさい。私ばっかり、しかもこんな話して……」
「いいよ。もっと話して欲しい。色んなこと」
「それなら私の方が聞きたいことたくさんあって…… 趣味とか、好きな色とか、柄とか、食べ物とか、苦手なものとか、怖いものとか、初恋はいつかとか、す、好きな女の子のタイプとか……」
「……」
「あと学生の時のこととか、得意科目とか……あ、スポーツはするのかとか、あと、あと誕生日と血液型……」
「ストップ」
あふれ出す思いが言葉になって止まらなくなる。そんな未央がまた可愛いと思ったし、今度は愛おしくも感じた。
「そういうことは一気にじゃなくて少しずつ話していこう。一緒に過ごしていればすぐに分かるようなことばかりだ」
「……はい。ごめんなさい、ちょっと落ち着きます」
落ち着く暇もなく、距離を縮めた西崎に手を取られて胸が高鳴る。男性らしく大きいがきちんと手入れされた清潔感のある手が未央の小さな手をすっぽり包んで少し引く。
「夜に帰ってきた日はあまり眠たくならないんだ。付き合ってくれる?」
「……約束しましたから。次は、朝まで一緒にって」
繋いだ手とは反対の腕が肩を抱き寄せ一度軽く唇を合わせて離す。お互いに唇が触れそうな位置でじっと相手の顔を見つめてから次は一度目よりも深く重なる。途端に背中に手が回り苦しいくらいに抱き締められて、未央も応えるようにぎゅっとしがみついた。深く甘くくちづけを交わしながら、西崎の指先が未央の体の輪郭をなぞる。体の内側から何かがぞわりと這い上がる感覚に未央は小さく声を漏らした。顔を離した西崎が未央の髪を耳にかけてその耳に唇を寄せた。
「寝室行こう」
今までで一番近くで響く声に堪らずもう一度漏れそうな声を我慢して、未央は西崎の首元に顔を埋めて頷いた。