同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~


「……あの時の人に謝らなきゃって、ずっと思ってた。だって、その後嵐がほかの女の人のところに行っちゃったのは事実なんだもん。金髪の人は本当のことを教えてくれただけなのに、私ってばけっこうな罵り言葉をぶつけちゃって、悪かったなって。……でも、まさかそれが比留川くんだったなんて……」


そうだよな。俺だって、まさかあの時の女の子と再会できるなんて夢にも思わなかった。

大学を卒業して、就職して。

彼女のことを思い出す日もあったけれど、徐々に記憶は薄れて、いつしか忘れてしまう恋だと思っていた。

だけど……俺たちは、再び出会ってしまった。

俺はもう、遠くからきみの幸せを願うだけでは我慢できない。


「みちる」


改めて、真剣な声で彼女の名を呼ぶ。

俺の様子に何かを察したらしい彼女は、背筋を伸ばして神妙な面持ちになる。


「最後に……ひとつだけ。ずっと隠してた俺の秘密を教える」

「秘密?」


本当の自分を明かしたら嫌われるんじゃないかと不安だったのは、俺も同じ。


でも、みちるなら受け入れてくれるんじゃないかって、信じているから――。


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