同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
番外編

1.グアム上陸 sideみちる



八月中旬、会社の夏休みを使って、私たちは予定通り、社長の別荘にお邪魔するべく、グアムを訪れた。

成田からおよそ三時間半のフライトを終えてグアムに降り立ったミストコーヒー一行。

その先頭に立つのはもちろん霞社長だ。
肌触りのよさそうな水色のリネンシャツにくるぶし丈のジーンズが爽やかで、こんな時にもやっぱり王子っぽい。

そんな彼に手を引かれているのが、オフショルダーの花柄マキシワンピで可愛さ倍増中の八重ちゃん。

海外旅行は初めてのようで、目に映る景色すべてに「すごーい!」と感激している姿に社長がクスクス笑っていて、とっても微笑ましい。


その後ろを歩くのは、どこかちんぴら風のグラサン男……久我さん。

ピンクのTシャツにデニムシャツを羽織り、白のハーフパンツを履きこなす姿はちょっとガラが悪いけれどアラフォーとは思えない。

彼にがっちり腕を回している、鮮やかなオレンジ色のオールインワンに身を包んだぱっちり二重の美人は、久我さんの妻であり私も管理課時代にお世話になった小梅先輩。

後輩の私から言うと失礼かもしれないけど、ちょっと天然なところが可愛い先輩で、あの武骨な久我さんが溺愛しまくっているという噂だ。





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