同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~


全裸認定が済んだのはいいけれど、状況が呑み込めずに頭を抱える。

昨日は……そう、商品開発部の飲み会があって、途中で比留川くんと抜け出して。

彼の友達の河田玄太さんが営む焼き鳥屋でふたりで飲み直して、楽しい時間を過ごして……。


「……その先が、思い出せない」


二日酔いのせいなのか、こめかみの辺りがずきずきと痛む。

胃もたれもあるし、私ってば昨夜どんだけ飲んだんだろう……。

そんなことを考えながら、ベッドの上でうなだれていたとき。

――ガチャ、と扉が開いて、姿を現したのは。


「……やっと起きた。もう十時だぞ」


見慣れたスーツ姿ではなく、無地の白いTシャツにゆるっとしたボーダーのハーフパンツを身に着けた比留川くんだ。

と、いうことは。この部屋は彼の……? そして、裸の理由はまさか……。


「あ、あのう……」


何から聞けばいいんだろう。ここはどこ? 私は誰?……って、それじゃ本物の記憶喪失だって!

テンパりすぎて言葉が出ない私のもとへ、素足の比留川くんがひたひた近づいてくる。

そしてギシ、とスプリングを鳴らしてベッドに腰掛けた彼は、無表情で私に聞いた。


「なあ、昨日の約束、覚えてる?」


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