箱入り娘と黒猫王子
俺と絃晴が話していると、



「紫ノ宮会長、」



学級委員会委員長の…



「葉月さん、どうかしました?」

「ここなんですが、これは」

「あっ、これは、こっちと同じってことで大丈夫ですよ。」

「あ、そうなんですねっ!……ありがとう、ございます。」



そう言って俺のブレザーの裾を掴む。
微かに当たる彼女の体は柔らかい。

少し下からの上目遣いは使い慣れたもので、この女が俺にどんな感情を抱いているかなんて一目瞭然。



「ふっ…いいえ。よろしくお願いしますね。」



さり気なくブレザーを掴む手を握って離れる。



「絃晴〜…?」

「あーごめんごめん(笑)大丈夫だったか?」

「覚えておけよ…」

「おー怖っ(笑)
いやーそれにしても葉月ちゃん、
女使い慣れてるねぇ。」



あーゆーのはダメだ、俺の本性を知ればどう出るかなんて容易にわかる。



「要は、扱いやすい単純な子ならいいわけだ。」



何だ、簡単じゃん。
女くさくない、扱いやすい単純なヤツ。



「書記か?…そうっちゃそうだけど、なんか今から選ばれる子が可哀想な気が…「そーと決まればっ!早速探さなきゃねー」」


引き攣った顔の絃晴をよそに、
ちょーっと楽しくなって来たなぁ…♪
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