箱入り娘と黒猫王子
「っ…!ねえ、あれ…」

「か、かっこいい〜♡」


女子達の噂の的は、
1年の階には不釣り合いな2年を示すピンをつけた生徒2人組。

白いカーディガンを着こなした爽やかな男子と
ブレザーを着崩したピアスだらけの男子。

その顔立ちはよく似ている。


「今年の1年生も可愛いねぇ?」

「ふらより可愛い女はいねぇ」

「ははっ、やだなぁ〜。
…比べる相手がいきなり天使じゃ、可哀想だろ?」



廊下を歩く2人に道を開け、ざわめく女子。
笑顔を向ければ頬を赤くし、
視線を送れば目が逸らせなくなる。



「ねぇ!あの2人ってもしかして…」

「え、カッコイイ…!誰?」

「え、何あんた知らないの?!あの2人はこの学校では有名だよ、確かうちらの学年に弟いるし。」

「あ、それ私知ってる〜!サッカー部のエース候補だって。しかもカッコイイんだよ〜♡」

「確か名前は…『久我』」
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