箱入り娘と黒猫王子
今まで怒られたことなんてあんまり無かったせいか、紫ノ宮先輩の言葉に心が折れそうになる…。

私、ここでやって行けるのかな…、



「たっだいま戻りましたぁ〜♪」

「お、ふら、仕事終わったか?」



ハイテンション…いや、いつもお通りの茉夏さんと阿笠先輩が帰ってきたのはそれからすぐだった。



「お疲れさん、ちょっと休憩しな」



机に置かれたのはミルクティ。
そのボトルを見た瞬間思い出したように喉が渇く。

ボトルを手に取り、出来る限りの笑顔で、



「あ、ありがとう、ございます…」

「……はぁ、おい高嶺、俺も茉夏もいない時にふらで遊ぶな。フォローできねぇだろ?」



…ん??私で遊ぶ?ってどゆこと??
ちらっと紫ノ宮先輩を見れば妖しい笑みを浮かべ、



「やだね」

「ちょっと!!会長の性癖のせいで可愛い後輩が逃げちゃったら許しませんからね!!」

「性癖って言うな」



は、話が読めません…



「遊ぶとか…性癖?とか、どういう意味ですか?」

「ん?あぁ、高嶺になんか言われたなら気にすんな?あいつ、ドSだから。人が泣きそうな顔とか好きなんだよ」

「おいお前ら、さっきから人を変態みたいに言うな
別に好きじゃない」
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