にゃおん、とお出迎え



 お日様が、高ーいところに上ったころ、あたしはおもむろにお部屋を抜け出した。

小さな小窓の網戸ってやつを爪で引っ掛けて、頭が通る大きさが空けばそれで大丈夫。
ベランダづたいに隣の家の屋根に乗ったらもう自由にどこでも行けちゃう。

勝手に出かけるとミネちゃんは怒るけど、怒られる前に帰れればいいんでしょ?

近くの公園には蝶々が飛んでいるし、お散歩しているうちに顔見知りの猫も増えてきた。

あたしはまだ子供だから、大人の猫はあたしとはケンカしない。
縄張りに入っても、子猫だからって見ないふりをしてくれてるみたい。

でもね。あたしはせっかくここに住むんだからと、挨拶してみたりする。


「にゃーおん」
こんにちは。あたしはモカ。

「みゃー」
やあ、こんにちは。


皆最初は変な顔をしたけど、直にお返事してくれるようになったよ。


そんな風に色々とお散歩して、こぉひぃさんの花壇で休憩して見たけど、今日は出てこないみたい。
なんとなく雨が降りそうな気配がするんだけど、でもこぉひぃさんに会いたいなぁ。


「みゃーおん」


今日は人がいっぱい入っていったし、いそがしいのかなぁ。

そろそろ、諦めて帰ろう。
おひげにいやーな気配を感じるもの。


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