ただあの子になりたくて


私は歯を食いしばる。

そう、お母さんもわかっている通り、もう遅い。

壊れた私たち3人は元には戻れない。

もう、いつのことかさえわからないほど昔の事。

怯えて、時に幼い手で耳をふさいで耐えしのいだ、夫婦ゲンカ。

お父さんとは、あってもろくに口を利かなくなった私。

いつもいがみ合ってばかりいた、私とお母さん。

みんながお互いを嫌いだった。

自然になったことだった。

だって、うちは椿のあたたかな家庭とは正反対。


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