ただあの子になりたくて
「どうぞ、入って」
早速入る2人に続いて、私もお母さんの前を、髪をなびかせ横切った。
あわれそうに俯くお母さんの頭を、見下げながら。
あんな風に追い出したくせに、親面なんてしないでほしい。
「なずな……」
「こんな……」
その時、二人の声が相次いで聞こえた。
私は病室に数歩足を踏み入れたところで、ついとどまった。
心臓がどくりと嫌な音を立てる。
頭にも顔にも包帯を巻かれ、誰ともわからない人間が横たえていた。