竜宮城に帰りたい。
晴から少し離れたところに着くと、
祐くんは私の手を離した。
「な、なんで…
止めるの。
あんなの、瑞季ちゃんがかわいそうだよ…」
「ええんや、あれで。」
なんで
この人たちはそんなに晴を特別扱いするんだ…。
ああ
だから、晴はあんなに寂しそうに…
「戻ろう。
このままじゃダメだよ。」
「澪…」
「私は、晴を一人にしたくない!」
「何言っとんな。晴は一人やない。」
祐くんは私の手をまた掴むと、
さっきより強く引き寄せた。
「えっ」
私のおでこは勢い余って、
祐くんの胸にぶつかった。
それでも祐くんは私の手を離さない。
私の方から離れようとすると、
今度は後頭部を自分の方に引き寄せた。
な、何?
今何が起こってる!?