竜宮城に帰りたい。
「は、晴……///」
「お前の言う通り、
次会うのを楽しみに頑張るかのぉ。」
きゅん……
うぅ……
こんな素直な晴、どんどん好きになるじゃんか…!
最後の最後に…!
「……私も。
次会うまでに、偏差値も女子力も上げて、
晴が簡単に別れられない女になってやるから。」
「おう。」
晴はくしゃくしゃと私の頭を撫でると、
少年みたいに純粋な笑顔を浮かべた。
「ほんだらの。」
名残惜しそうにゆっくり離れていく手を
スローモーションみたいに感じた。
「ほんだらの!」
今度は一ヶ月前とは違う。
感じた確かな温もりと、
確かな約束がしっかりと刻まれている。
今度は泣いたりしないよ。
私の竜宮城は海の泡になって消えたりしないって、
もうわかったから。
晴は静かに扉を閉めて、資料室をあとにした。