竜宮城に帰りたい。



「おはよう、瑞季ちゃん。」

「澪ちゃん、祐。おはよー」


相変わらずの笑顔で瑞季ちゃんは挨拶してくれるけれど、
一昨日までとは私の見方が違う。


なんで瑞季ちゃんだけ先に来てたんだろう

とか

二人きりで何してたんだろう

とか

私たち邪魔じゃないのかな

とか…



いろいろ考えすぎて、パニックになりそうだ。


私やっぱりおかしい。

二人が付き合ってることを知ったからと言って、
普通こんなに悩んだりしないはずだ。

それなのに…


ダメだダメだ!

考えるのやめ!



「べ、勉強しよっか!」

「せやのぉ」



引き返せなくなる前に。

溺れる前に。





< 62 / 236 >

この作品をシェア

pagetop