カナリア
「……。」



「文太君?どう?

“自我”って一人じゃ確率できないものじゃない?

人の中から、自分を探して拾っていく作業だと思うよ。


一人じゃ、見つからないなら、

手伝ってあげたい。」





隣に、カナがいる。


大丈夫だ。


おれは、俺なりに、

前へ歩こうと思う。

彼が、捨てたこの人生を。
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