カナリア
岡目君をどうにか丸め込み、私たちはカフェにやってきた。


「お前さ、他の誰かに俺の事なんか聞いたりしたのか。」


「セイに聞いたよ。こんな感じの人だから、こんな風に付き合うといいよ、って。」


「はああああ!?あいつなんて言った!?」


「うん。セイの前情報なかったら、萎縮してたかも。

ほら、岡目君ちょっと目つき悪いし。本当に怒ってるように見えるし。」


「めっちゃ怒ってるしめっちゃイラついてるけどな!?」


「でも、カフェついてきてくれる。優しい。」


「…………これはあれ、敵情視察。」


照れているのか、岡目君は耳まで赤くしている。


「カフェが?」


「バイトしてんだよ。」


「カフェで?」


「……カフェで。」


私が聞くと、また顔を赤くする。


いや、カフェは照れるポイントじゃないよ!


「似合わないね!」


「ケンカ売ってるよな?お前。」


「岡目君は優しいから、ケンカ買わないよ、大丈夫。」


「お前さ、本当何なんだよ!」


「友達?」


「ならねえ!」


セイに、何を言われてもポジティブに返せばいいよと言われていたけれど、少しやりすぎただろうか。


そろそろ普通のコミュニケーションに戻った方がいいかもしれない。


「バイトしてるんだ?何でカフェ?」


「別に。働くのに理由なんているのかよ。」


「どこでバイトしてるの?」


「何でそこまで言う必要があるんだよ。」


「えー。じゃあ普段は何してるの?」


「バイト。」


「ニート?」


「バイトだっつってんだろ。」


「フリーターか!……えーっと、好きなものとかは?」


「はあ?何で言わなきゃならないわけ。」


「私と岡目君は、友達じゃない。」


「多分、俺、お前が嫌いな物、全部好きな自信あるわ。」


岡目君に色々と質問を投げかけてみたが、会話にならない。


「おいしいね、ここのコーヒー。」


「んー。」


岡目君は微妙な顔をする。あまり口に合わなかったのだろうか。


「また会えるかな?」


「なんでだよ。」


「友達だし!」


「お前本当アレ……。はやく他の奴のところ行け。」


「そうだね。でも、岡目君にも会いに行くよ。」


「いい本当にいい結構です。」


「セイにバイト先、聞こうっと。」

私が携帯を取り出してメールを打つフリをすると、岡目くんは焦って携帯を奪おうとした。

ちょっと面白い。


「えっと…あと会ってないのは”木場君”だけかな。ねえねえどんな人?」


「あーーー。なんか…変なやつ。」


「ざっくりしてるね。」


「会えば分かんだろ。」


「確かに。」


「んー……俺から連絡しとくわ。」


「ありがとう!岡目君、今日は会えて楽しかったよ。」


「んー。」


「また岡目君にも連絡するね。」


「んー…。」


岡目君は目をそらし、
曖昧な返事をした。

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岡目:@セイ お前何吹き込んだマジしね!!!!
セイ:@岡目 岡目君って照れ屋さんなんだね!
岡目:@セイ しねしねしねしねしね
岡目:俺はしにます
木場:@岡目 どんまい。
文太:どうでもいいけどちゃんと報告して。
岡目:@木場 あ、次お前だし。連絡しとけよ。
木場:@岡目 分かった。今週は早めに図書館行きたいんだけど大丈夫かな。
木場:@岡目 今、月9でやってるさ恋愛ドラマが原作と全然違うらしいんだよ。20年前はやった原作を今風にアレンジしてあるらしんだけど、それがうまく消化してるって評判で興味でたっていうか。
木場:@岡目 どこの本屋いっても品切れでさ。当たり前なんだけど。だめもとで検索かけたら図書館にあるみたいなんだよね。
木場:@岡目 で、取り置きしてもらってて早めに行きたいんだ。
セイ:図書館で待ち合わせしたら?(´ε`;)
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