桜の花びら、舞い降りた

時空のゆがみ?
なにそれ。さっぱりわからない。


「なんだかよくわからないんだけど、乗客はどうなったの?」

「確か白骨化した死体だったって言ってたな」


そんなことがあるの?
何十年も前に飛び立った飛行機が、白骨体を乗せて着陸?
私は頭をひねった。

そういう不思議な話は私も子供の頃から好きだけど、それは映画やテレビの中のことだけであって、実際には起こるわけがないと思っていた。
SFの話にすぎないと。
でも現実にここに、こうして過去から来たという圭吾さんがいる。
それは、なによりも説得力があった。


「俺はどうなるんだろう……」


圭吾さんが不安そうにつぶやく。
それも当然だ。
飛び降りた先が死後の世界じゃなく未来の世界だなんて、誰も想像すらしない。
私もどうしたらいいのかわからなくなった。


「……圭吾さん、きっと大丈夫だよ」


その言葉に根拠はない。
でも、不安な顔をする圭吾さんを放っておけなかった。
なんとかして勇気づけてあげたい。
ひとりぼっちにはさせたくない。

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