桜の花びら、舞い降りた

どうか早く下に着いて――。
強く願ったそのときだった。
ガツンという妙な音がして、観覧車が急停止してしまったのだ。

――な、なに!? なんで止まるの!?


「どうしたんだろう」


圭吾さんが下を覗き込む。
しかし雪で見えないようだ。

どうしてこんな中途半端なところで止まるの……?

私たちの観覧車は、頂上まであと少しのところで止まってしまった。


「亜子ちゃん、具合でも悪い? 顔色が悪いけど」

「……実は……高所恐怖症で」


恐怖に負けて、思わず白状してしまった。


「どうして乗る前に言わなかったんだよ」

「言ったらなにも乗れなくなっちゃうから……」


私がそう言うと、圭吾さんは申し訳なさそうに眉尻を下げた。


「気づかなくてごめん」

「圭吾さんが謝る必要なんてないよ」

< 94 / 207 >

この作品をシェア

pagetop