未完成恋愛
「あ…ゴメン!オレ初めてだからさ…」

「ううん。キミがまだ子供だって事、忘れてたよ。ゴメン…やっぱヤバいからすぐに出ようね」

「オレは岡崎の話を聞くつもりだったんだから。誰にも言わないよ。彼氏に何された?」

「大した事じゃないの…」
「もしかして…DVってヤツなんじゃないの?前にスゴく酔ってたのも何かあったから?」

「多分…そうなんでしょうね。…酒なんか飲んだってちっとも酔えないの」

「酔ってなかった?」
「酔いたかったのよ」
「オレ…に…キスしたのは…?あの後寝ちゃっただろ?」

「…酔ったフリをして誰かに優しくしてもらいたかったのかもしれない。で…思わずキスしたくなっちゃって…でも『先生』って言われて目が覚めたけど…眠るフリをするしかなかったわよ…ゴメン」

「オレ…初めてだったんだよね。キス」

「えっ!?彼女とまだだったの?私てっきり…ゴメン!!ホント、ゴメン!!カウントしないで!それは蚊に刺されたの!」

「何言ってんの?別に女のコじゃないんだから平気だよ。ただ理由を知りたかったんだ」

「…ゴメン」

「…それよりさ…そんな暴力振るうような男やめなよ。別れた方がいいんじゃない?」
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