未完成恋愛
今にして思えばこの頃のオレはガキで

初めて付き合ったこの彼女の顔はあんまり憶えてないくらい…適当に付き合ってたんだと思う。


名前だけは憶えてる。

『長谷川麻衣』
一つ年下の女のコ。


一つ誤算があった。


オレが女のコと付き合った事がないっていう事。
付き合うって何すればいいの?




付き合い初めて一ヶ月たった頃、オレは麻衣に言われた。

「先輩、何でメールとかくれないの?!」

「え?しないとダメなの?」

「できれば毎日メールしてほしいよ!電話でもいいし」

「毎日のように会ってるじゃん?」

「あたしはいつでも先輩と繋がりがほしいの!それに土日だって先輩会ってくれないし…」


毎日電話やメールしろって?
オレが受験生なのマジでわかってる?

…てゆうか


なんで自分の事ばっかなワケ?


一応塾だって行ってるし、友達とも遊びたいし…それはもちろんオレの都合なんだけど。

でも、さすがにそこまでは言えず…オレは遠回りに答えた。


「…できるだけメールする。それでいい?」

「うん!」

麻衣は嬉しそうに笑った。笑うと可愛いんだよな。


「ね…先輩は何でなんにもしてくれないの?」
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