朝焼け
外を見ると、すっかり陽が暮れてしまっていた。

「そろそろ駅まで送るよ。な、雄ちゃん☆」

と、晃が言う。


昨日ずっと一緒に居たから、本当は薫と離れたく無かったけど。


「雄ちゃんとか呼ぶなよな。薫、駅まで送るよ」



と、当たり前のように言うと由美が



「雄君はアタシを送ってくれないのね~」


と少し拗ねている。


「だって、由美ちゃんを送るのは晃の仕事でしょ?」


俺の仕事は薫を送る事。
本当は離したくないんだけど。


由美が顔を赤くする。



「…そうなの??」



顔を真っ赤にしながら晃に聞いてる。

晃がどう答えるか、俺は知ってる。

「うん。この仕事はいくら雄でも譲れない」



やっぱりな。
だって俺でもそう答える。

抱き合うバカップル。

見てたら少し腹がたってきた。

しかも離れやしねぇ
……

「…あのバカップルは放っておいて、俺達は先に帰る?」


と薫に言う。

すると晃が急に口を開く。

「お前達も立派なバカップルだぞ?」


…未だに離れようとしないお前達が言うか。

と、思っていたら、


「まぁ、私と雄はラブラブって事で☆」


と、薫が顔を真っ赤にしつつ言う。


すると由美が


「その答えがバカップルだよね」

と言う。


うん。
俺、バカップルでいいよ。
ラブラブだからさ。
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