朝焼け
忘れたくない、香り。
あの決死の告白から、2人の「おつきあい」が始まった。




雄に会えば会う程好きになる。



メールじゃ見えない雄の顔。




雄は、私と会う時にときめいたりしてくれてますか?



私はときめいてばかりだよ。



自分にこんな一面があるなんて


雄と付き合わなかったら、きっと一生気付かなかった。




雄が駅のホームに立って待ってくれてるのを見る度にね、
由美が晃にしてるみたいに抱き付きたくなるよ。



帰る時、駅まで送ってもらってる時、

その大きな手を握りたくなるの。




雄は絶対に触れては来ないけど。





私の事、



本当に好き?




私はそれが不安でたまらないよ。




雄は私に触れる事を怖がっているみたいだから。




ねぇ、雄。




私に触れて



欲しいな。




相手が雄なら





どんなに傷付いたって、


私は笑えるから。




雄になら、


傷付けられても



耐えてみせるよ。




だから。





私に触って。







一緒にいるとずっとそう思うの。



私、変なのかなぁ?






雄に借りた上着を返して

また新しい上着を借りて帰る。




「そしたらまた会える」


照れたように笑う雄。




それがとても嬉しかったよ。
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