朝焼け
その時由美の携帯が震えた。

「あっ、晃からだ☆」

メールを読み、何故か私に


「返事返しとくよ」


と言った。


返事を返し終わり、由美がメールを見せてくれた。



From: 晃
[件名]雄より薫ちゃんへ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今日は楽しかったよ、アリガトウ。
上着なんだけど、迷惑じゃなければ直接返して欲しいな。

俺、薫ちゃんの連絡先聞きそびれちゃったから、晃に聞いてもいいかな?
良ければ薫ちゃんが暇な時にメールしてくれたら嬉しいな。 雄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「大っ成功じゃん!!!」
由美が興奮しながら言う。

「いや、大成功の前に、何て返事送ったの?」

「え?えっと…いいよ☆ってだけ送った…」

と、目線を反らしながら言う。

嘘だ。
由美の携帯を取り上げ、送信メールを見てみる。


To: 晃
[件名]薫より雄君へ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私もすごく楽しかったよ☆
連絡先の件、もちろん晃君に聞いちゃって下さい。
上着、ちゃんと返しに来るね。

メール待ってるネ♪ 薫
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
絶句…。
この私のキャラに合わないメールは何だ……




「ゆ……由~美~…」

と、怒ろうとしたら、由美が話題を逸らそうと、


「薫、携帯鳴ってない?」

と言って来た。


「まさか」

と思ったが一応確認してみる。


心当たりのないアドレスからだった。



メールを開いてみると、
「雄です。これが俺のアドレスです。
俺の事忘れないでね?
気が向いたらメール下さい」


上着まで借りたのに、忘れてしまっては失礼だと思った。

由美は携帯の画面を覗き込み、ニヤニヤしている。

「どうしたの?私、上着忘れそうなのかなぁ?」

と由美に聞く。


由美は目を丸くしながら「そうゆう事じゃ無くてさぁ…俺の事、って書いてるじゃん!!!」

と、何故か怒っている。


< 7 / 218 >

この作品をシェア

pagetop