幼なじみは私の初恋。
午前9時55分

予定の時間より五分前についた。
莢斗がいた。
「やば!」
私は走った。
「莢斗!」
莢斗がこっちを振り向く。
「おはよう。」
「おはよう。ごめん!!待たせて!」
「いや待ってないよ。」
「本当?」
「うん。本当。」
私はほっとして莢斗に呼び出されたわけを冷静に聞いた。
「ねぇ莢斗。なんで私を呼んだの?」
莢斗は言った。
「話があるから呼んだんだ。」
「話?なんの?」
私は首をかしげる。
莢斗は深呼吸をした。
私もなんだかドキドキしてきた。
すると
莢斗が近づいてきた。
私はなんとなく目をぎゅっとつぶった。
次の瞬間。
「チュ。」
(え!?今のってリップ音だよね!?)
私は目を見開いた。
そこには私の口に自分の唇を重ねている莢斗がいた。
私はびっくりして体の力が抜けていった。
莢斗が支えてくれた。
支えたままの格好で莢斗に見つめられた。
私も莢斗の顔をじっと見つめた。
莢斗が口を開く。
「蓬……。好きだ。俺の彼女になってくれ。」
私は驚いた。だって、昨日まで付き合えないって言ってたのに。
「…………」
私はうまく言葉にできなかった。
莢斗は悲しい顔になっていく。
私は最後の力を振り絞ってこう言った。
「私も……莢斗の彼女に……なりたい……」
言えた言葉はそれだけだった。
莢斗はニコッと笑ってまた……キスをおとしてくれた……。
今度はとびきり甘いキスを……。



~END~
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