私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
「っ!み、緑⁉︎どうしたの⁉︎」

倒れた緑を抱きかかえると、体がとても熱い。

顔も、これ以上ないくらい赤くなっていた。

もしやと思い、額に触れてみると

「熱がある!」

私は慌てて、緑をベットに運んだ。

というより、引きずって行った、という方が正しいかもしれない。

何とか緑をベットに寝かせて、額に濡らしたタオルを乗せた。

すると、緑の目から涙が溢れ、口が微かに動いた。

何かボソボソと呟いているように見える。

よく聞いてみると、

「…ハキ…ハキ、ごめ…」

ハキ、という言葉を何度も繰り返していた。

私は黙って、その様子を見ていた。

ごめん、ごめんと謝り続ける緑を見ていると、

何だか助けてあげたくなった。

私には何ができるだろう。

緑のために、私にできることがあるのだろうか。

そう考えているうちに、私は緑の隣で深い眠りに落ちた。





< 16 / 38 >

この作品をシェア

pagetop