私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
何か似てる
ご飯を食べ終わったあと、私はお皿洗いをさせてもらった。

さすがに全部緑に任せっきりっていうのは申し訳ないし…。

それに、何かお礼がしたかった。

突然現れた見ず知らずの私をこんなに暖かく迎えてくれるなんて

あのとき緑に出会わなかったら、今私はどうなっていたかわからない。

洗い終えてリビングに行くと、緑はコートを作ってくれていた。

「あ、終わったか。ありがとう。」

私は慌てて首を横に振った。

「こちらこそ、ありがとう。コートまで作ってもらっちゃって。」

私がそう言い終わらないうちに、コートが完成した。

「よしっ、できた。」

手渡されたコートは、真っ白で着てみるとサイズもちょうど良かった。

「それ、持っとけよ。いつ寒くなるか分からないからな。」

緑の言葉に、私はコクリと頷いた。

「それにしても、緑って器用なんだね。
ご飯も美味しく作れるし、裁縫も出来るし。
一体誰に教わったの?」

何気無く質問すると、緑の肩がピクッと動いた。

「…緑?どうし…」

「やっぱり、何か似てるな…。
白が好きなとこ、中華料理が好きなとこ。
それ…に…」

_______バタッ
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