風便り〜大切なあなたへ〜
「私は・・まだ、いないかな?」
「そっかー、・・真子ちゃんに、好きな人ができたら、ダブルデートしようね!」
「うん」
私は、にっこり笑って答えた。
ちょっと、守屋くんのことが、引っかかったけど、まだ、胸を張って、好きって言えるほどじゃないと思った。
・・ただ、ちょっと気になってるだけ。
だから、まだ、口には出さない。
「先生ーおはよー!」
「おう、おはよう!」
教室の入り口から、そんな挨拶が聞こえてきた。
いつもは、遅刻気味に入ってくる先生が、今日はいつもより早く教室に入ってきた。
「小林!ちょっといいか?」
先生に、名前を呼ばれびっくりした。
昨日のことかな・・。
今は、先生と話したくないよ・・。
さっき、風香ちゃんに救われた心が、また、重くなった。
沈んだ気持ちで、先生のところまで行くと、廊下に出るように言われた。
「小林、昨日は悪かったな」
「え?」
先生は、申し訳なさそうに、私に頭を下げた。
私は、頭を下げる先生を見て、戸惑った。
「せ、先生?」
「昨日、お前に言われて、あれからずっと考えたんだ。お前が、こんなに守屋のこと心配してくれてるのに、俺は、なにをやってるんだって」
「先生・・」
先生は、申し訳なさそうな顔をしながら、私を見て微笑んだ。